1.ウイルス除去性能

MS2ファージは大腸菌に感染するRNAウイルスです。大きさは約27nm程度となり、ウイルスの中でも小さいウイルスとなります。このひじょうに小さなウイルスを除去する場合、そのウイルスよりも小さい目の細かさを持つフィルターカートリッジで除去をおこないます。ただ、このようなウイルスレベルの超微細粒子を除去するフィルターは 1本の単価が高く、その高価なフィルターカートリッジの寿命をどうやって伸ばすかが重要になります。
ナノ粒子捕捉フィルターは、そのようなウイルスレベルの超微細微粒子の除去に有効かどうか(高価なフィルターカートリッジの前処理として有効かどうか)をテストするために、このMS2ファージというRNAウイルスを使用し、ナノ粒子捕捉フィルターのウイルス除去性能のテストをおこないました。


【供試微生物】ファージ:大腸菌ファージ MS2 (NBRC 102619)
宿主菌:大腸菌 (NBRC106373)
【使用フィルター】ナノ粒子捕捉フィルター(3cm2)を使用する。
【試験@】1.2×107PFU/mlのファージを含む培地10mLをナノ粒子捕捉膜(二層)で濾過をする。ろ過速度は5mL/分とし、ろ過後のファージ数は寒天重層法により測定し、PFU(Plaque Forming Unit/ml)として求めた。
【試験A】1.2×107PFU/mlのファージを含む蒸留水10mLをナノ粒子捕捉膜(二層)で濾過をする。ろ過速度は5mL/分とし、ろ過後のファージ数は寒天重層法により測定し、PFU(Plaque Forming Unit/ml)として求めた。


【試験@の結果】
原液中のファージ数濾過後のファージ数除去率
1.2×107PFU/ml2.0×106PFU/ml83.3%以上

【試験Aの結果】
原液中のファージ数濾過後のファージ数除去率
1.2×107PFU/ml検出限界値以下99.9%以上


2.染料の濾過試験

染料の色分子は大きさが数nm程度といわれており、一般的なフィルターカートリッジでは除去ができません。印刷分野や染色分野ではこの染料を含んだ排水の処理が必要となり、活性汚泥法や化学処理、UF膜などの膜処理装置での処理方法があります。ただ、いずれも設置場所が広く必要で、初期費用やメンテナンスのコストも高額となります。
ナノ粒子捕捉フィルターは、そのような染料の除去に有効かどうかをテストするために、今回はインクジェットプリンターの染料を水に溶かし、ナノ粒子捕捉フィルターの染料の濾過試験をおこないました。

【濾過原液】純水にインクジェットプリンター機用の染料を混合する
【使用フィルター】ナノ粒子捕捉フィルター(3cm2)
および、比較のために
M社0.025μm(アブソリュート−3cm2)
のフィルター膜を使用する。
【試験方法】通水速度を10mL/分で濾過をする。濾過液については、目視にて染料の除去レベルを確認する。


@(上記写真左側)ナノ粒子捕捉膜にて濾過した濾過液
A(上記写真中央)M社0.025μmにて濾過した濾過液
B(上記写真右側)純水とプリンタジェット機用の染料を混ぜた原液
ナノ粒子捕捉膜にて濾過された濾過液は無色透明となっており、原液と比べて染料が除去されていることが分かる。一方、M社の0.025μmの濾過膜では、原液と比べてわずかに色が薄くなっているのみとなる。



【試験結果】
ナノ粒子捕捉膜
(上記写真AとC)
濾過後の濾過液は無色透明となり、また、濾過後のフィルターには染料が付着しており、染料が除去できていることが確認できた。
M社0.025μm
(上記写真BとD)
濾過後の濾過液は多少は色が薄くなっていたが、濾過後のフィルターには染料がほとんど付着しておらず、大半の染料が除去できていないことが確認できた。


3.水溶性切削油除去性能

水溶性切削油は切削加工において広く使用されています。その加工品(ワーク)の洗浄の際に、切削油が洗浄用水に混入するため、洗浄用水の水質の悪化の原因となります。また、その洗浄用水を排水する際はノルマルヘキサン濃度が排水基準を超えることが多く、そのまま河川放流することができず、自社で処理するか処理業者に依頼する必要があります。ただ、自社処理の場合は設備費用やメンテナンスにコストがかかり、処理業者を利用する場合は処理費用コストが必要となります。
ナノ粒子捕捉フィルターは、そのような水溶性切削油の除去に有効かどうかをテストするために、RO水に水溶性切削油を混ぜて濃度を200mg/Lとして、ナノ粒子捕捉フィルターの水溶性切削油の除去ろ過試験をおこないました。

【ろ過原液】電気伝導率が10μS/cm以下の逆浸透膜にてろ過後の水を使用し、濃度を200mg/Lとする。
【使用フィルター】ナノ粒子捕捉フィルター(3cm2)
および、比較のため
A社0.35μm(ノミナル−3cm2)
M社0.025μm(アブソリュート−3cm2)
を使用する。
【試験方法】各々のフィルター(3cm2)に通水し、ろ過後のろ過液が排水水質基準の5mg/Lを超えるまでの処理量を計測した。



【試験結果】
ナノ粒子捕捉膜ナノ粒子捕捉フィルターは、通液開始より150cc通液までろ過液の油分濃度が5mg/L以下で推移し、総処理量が160ccを超える付近からろ過液の油分濃度が上昇した。
A社0.35μmA社0.35μmは、通液開始時よりろ過液の油分濃度が変化せず除去ができていなかったため、100cc通液後にテストを終了する。
M社0.025μmM社0.025μmは、通液開始より25cc通液した時点で膜が閉塞したので、テストを終了する。


4.濁度除去性能

濁度とは、沈泥、粘土、藻、その他のプランクトン、有機物などの細かい非溶解性粒子を含む浮遊物により発生する、水の濁りをいいます。このような非溶解性の微粒子が多く含まれていると、工場などの製造現場ではさまざまな不具合を起こす可能性があるため、これらを除去する必要があります。
ナノ粒子捕捉フィルターは、そのような濁度除去に有効かどうかをテストするために、サブミクロンレベルから120μmまでの微粒子を含むACダスト(fine)を使用して濁水をつくり、濾過実験をおこないました。

【ろ過原液】RO水にACダスト(fine)を混合し240〜250NTUの濁水を使用する。
【使用フィルター】ナノ粒子捕捉フィルター(10"カートリッジ)
および、比較のため
A社0.35μm(ノミナル−10"カートリッジ)
B社1μm(アブソリュート−10"カートリッジ)
C社1μm(アブソリュート−10"カートリッジ)
D社0.1μm中空糸膜(アブソリュート−モジュールタイプ)
を使用する。
【試験方法】各々のフィルターカートリッジに通水し、ろ過後のろ過液の濁度(NTU)を計測した。


【試験結果】
原水濁度(NTU)濾過水濁度(NTU)濁度除去率(%)
ナノ粒子捕捉膜252.0<0.0599.9
A社0.35μm239.060.074.9
B社1μm239.055.077.0
C社1μm243.023.090.5
D社0.1μm250.0<0.0599.9


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